先に結論:国民の祝日は「国民の祝日に関する法律」(祝日法)が定める年16日です。日付の決め方で分けると、月日を固定した日が9つ、政令で日付を定める建国記念の日が1つ、「○月の第○月曜日」とする日が4つ、天文計算で決まる春分の日・秋分の日が2つ。祝日が日曜と重なったときの振替休日や、祝日にはさまれた平日の「国民の休日」は、同じ法律の第3条が決めています。
まずはひとつ、「へぇー」を
スポーツの日という名前で迎えた最初の年、2020年のその祝日は10月ではなく7月24日でした。東京大会の開催に合わせた特例で、翌年も7月23日。新しい名前のデビューは真夏だったのです。
編集:へぇ助
16の祝日を「日付の決まり方」で並べた早見表
月順の一覧では、なぜ毎年カレンダーがずれるのかが見えません。そこで法律上の日付の書き方と、祝日になった年・その後の動きを1つの表にしました(趣旨は条文の要点を当サイトの言葉で短くしたもの)。
| 祝日 | 決まり方 | 趣旨の要点 | 始まりと変遷 |
|---|---|---|---|
| 元日 | 固定(1月1日) | 新年の祝い | 1948年の制定時から |
| 成人の日 | 1月の第2月曜 | 大人になった若者への励まし | 当初1月15日、2000年から月曜に |
| 建国記念の日 | 政令で2月11日 | 国の始まりに思いを寄せる | 1966年の改正で新設、翌年から |
| 天皇誕生日 | 固定(2月23日) | 在位する天皇の誕生日 | 4月29日→12月23日→2月23日 |
| 春分の日 | 天文(春分日) | 自然と生きものを大切に | 近年は3月20日か21日 |
| 昭和の日 | 固定(4月29日) | 昭和を顧み将来を考える | 2007年から(それまでは、みどりの日) |
| 憲法記念日 | 固定(5月3日) | 憲法の施行を記念 | 1948年の制定時から |
| みどりの日 | 固定(5月4日) | 自然に親しみ恵みに感謝 | 1989年に4月29日で新設、2007年に移動 |
| こどもの日 | 固定(5月5日) | 子どもの幸せと母への感謝 | 1948年の制定時から |
| 海の日 | 7月の第3月曜 | 海の恵みへの感謝 | 1996年に7月20日で新設、2003年から月曜に |
| 山の日 | 固定(8月11日) | 山の恵みへの感謝 | 2016年から(いちばん新しい祝日) |
| 敬老の日 | 9月の第3月曜 | 高齢者を敬い長寿を祝う | 1966年に9月15日で新設、2003年から月曜に |
| 秋分の日 | 天文(秋分日) | 先祖を敬い故人をしのぶ | 近年は9月22日か23日 |
| スポーツの日 | 10月の第2月曜 | スポーツを楽しみ他者を尊重 | 1966年に「体育の日」(10月10日)で新設、2000年から月曜に、2020年に改名 |
| 文化の日 | 固定(11月3日) | 自由と平和、文化の振興 | 1948年の制定時から |
| 勤労感謝の日 | 固定(11月23日) | 勤労と生産をたたえ感謝し合う | 1948年の制定時から |
毎年同じ日付になるのは固定日と建国記念の日だけで、残る6日は年ごとに日付が動きます。
月曜型と天文型は、どうやって日付が決まるのか
月曜型の4日は、2000年と2003年の法改正で日付から曜日に切り替わりました。3連休を増やして余暇を充実させるねらいで、通称「ハッピーマンデー制度」です。曜日で決まるので、たとえばスポーツの日は10月8日から14日のどこかに収まります。
天文型の2日は、法律に月日が書かれておらず「春分日」「秋分日」とだけあります。太陽が春分点・秋分点を通る日のことで、二十四節気の春分・秋分と同じ日です。国立天文台が計算した翌年の日付は「暦要項(れきようこう)」として前年2月初めに官報へ掲載され、これで正式に確定します。2050年までの予想日も公開されていますが、地球の運行は変化するため参考値の扱いです。
祝日が休みを連れてくる2つのルール(法第3条)
| 振替休日 | 国民の休日 | |
|---|---|---|
| 根拠 | 第3条第2項 | 第3条第3項 |
| 起きる条件 | 祝日が日曜日と重なったとき、そのあとで最も近い、祝日ではない日が休みになる | 前の日と次の日がどちらも祝日である平日が休みになる |
| 導入 | 1973年の改正(同年4月30日が最初) | 1985年の改正 |
| 2026年の例 | 5月3日(日)の分が5月6日に | 敬老の日と秋分の日にはさまれた9月22日 |
振替休日はもともと「翌日」を休みにする決まりでしたが、2007年施行の改正で、最も近い祝日ではない日に改められました。5月3日が日曜でも、4日・5日は祝日なので、休みは6日まで送られます。
名前と日付が動いてきた歩み
- 1948年:祝日法が公布・施行され、9日でスタート。
- 1966年:建国記念の日・敬老の日・体育の日を追加。
- 1989年:天皇誕生日が12月23日に。4月29日は、みどりの日へ。
- 1996年:海の日が加わる。
- 2000年・2003年:成人の日・体育の日、続いて海の日・敬老の日が月曜型に。
- 2007年:4月29日が昭和の日となり、みどりの日は5月4日へ。
- 2016年:山の日が加わり、16日に。
- 2019年:天皇誕生日を2月23日とする改正が施行。この年は天皇誕生日がありませんでした。
- 2020年:体育の日が「スポーツの日」に改名され、趣旨の文言も新しくなりました。
戦前の祭日・季節の年中行事とのつながり
祝日法の前は、1927年の勅令が11の祝祭日を休日にしていました。皇室の祭典の日である「祭日」と、祝い日である「祝日」をあわせた呼び方です。この勅令は祝日法の附則で廃止されましたが、日付をたどると今の祝日と重なるものが少なくありません。
- 11月23日の新嘗祭(にいなめさい)→勤労感謝の日。内閣府の解説では、制定時に「新穀感謝の日」などの名前も候補に挙がり、議論を経て今の名前に落ち着いた経緯が紹介されています(趣旨は、国民がたがいに感謝しあうことと条文にあります)。
- 11月3日の明治節(明治天皇の誕生日)→文化の日。祝日法では、1946年に憲法が公布された日として名付けられました。
- 春分日・秋分日の皇霊祭→春分の日・秋分の日。宮中では今もこの日に春季・秋季皇霊祭が行われています。
暮らしの行事との重なりでは、春分の日・秋分の日がお彼岸の中日にあたり、墓参りをする家庭が多い時期です。こどもの日は端午の節句と同じ日ですが、内閣府によると、ひな祭りと端午をあわせて5月3日とする案もあり、憲法記念日と重なるため5月5日になったとされます。元日は初詣など新年行事の中心です。
都道府県の「○○の日」は国の祝日とは別
都道府県が独自に定めた記念日は国民の祝日ではなく、休みになるかは自治体や学校ごとに違います。
- 東京都:10月1日の都民の日は、都立学校で休業日とする例があります(2026年は都立町田工科高校が案内)。
- 埼玉県:11月14日の県民の日は、県誕生100年の1971年に制定。
- 沖縄県:6月23日の慰霊の日は県の条例で定められた日で、沖縄全戦没者追悼式が行われます。
よくある誤解
「春分の日は閣議で決まる」:閣議ではなく、国立天文台の計算による暦要項が前年2月に官報に載ることで確定します。
「祝日と祭日は同じ」:「祭日」は戦前の勅令にあった区分で、今の法律にこの言葉はありません。
「休みになる日は祝日法だけで決まる」:1959年の結婚の儀、1989年の大喪の礼、1990年の即位礼正殿の儀などは、そのときだけの特別な法律で休日とされました。
もうひとつ、「へぇー」を
成人の日が最初1月15日だったのは、元服を正月5日までに行った公家や、11日が多かった武家の日をあえて避け、松の内の15日を選んだから。制定時の国会の報告書にそう記されています。
編集:へぇ助
国民の祝日についてのよくある疑問
Q. 祝日がない月はありますか?
A. 現在の16日では、6月と12月に国民の祝日がありません。12月は天皇誕生日が移った2019年からです。
Q. 来年のカレンダーの祝日はいつ確定しますか?
A. 固定日と月曜型は法律から計算できますが、春分の日・秋分の日は前年2月の暦要項で確定します。内閣府も翌年分までの一覧を公表しています。
Q. 振替休日は土曜日に重なった祝日にもありますか?
A. ありません。第3条第2項の対象は日曜日に重なった場合だけです。
関連記事
出典・参考
- e-Gov法令検索「国民の祝日に関する法律(昭和二十三年法律第百七十八号)」
- 内閣府「国民の祝日について」
- 内閣府「各『国民の祝日』について」
- 内閣府「(参考情報)祝日法制定の経緯」
- 内閣府「国民の祝日(csv形式)」
- 国立天文台「何年後かの春分の日・秋分の日はわかるの?」
- 国立天文台 暦計算室「暦要項」
- 宮内庁「主要祭儀一覧」
- 埼玉県「埼玉県民の日とは」
- 沖縄県「令和8年沖縄全戦没者追悼式 Q&A」
- 東京都立町田工科高等学校「都民の日及び開校記念日(学校閉庁日)のお知らせ」
最新の祝日は内閣府の発表でご確認ください。