先に結論:寒中見舞いは、松の内が明けてから立春の前日までに出すのが一般的な目安です。2027年なら、松の内を7日までとする地域は1月8日から、15日までとする地域は1月16日からで、締めくくりは節分の2月3日です。寒さを気づかう季節のあいさつのほか、喪中の相手への年始のあいさつ、自分が喪中のときに届いた年賀状へのお礼、返事が遅れた年賀状の代わりにも使われます。立春から後は「余寒見舞い」に切り替えます。
まずはひとつ、「へぇー」を
寒中見舞いは俳句では「寒見舞」として冬の季語ですが、立春後の寒さをいう「余寒」は春の季語です。寒さそのものを指す言葉が、季語としては春の側に数えられるのです。
編集:へぇ助
いつからいつまで?2027年のカレンダーと「始まり」の二つの数え方
辞書でいう「寒中」は、二十四節気の小寒の日に始まり、立春で明けるまでのおよそひと月のことです(デジタル大辞泉)。辞書の寒中見舞いの説明も、この「寒」の期間に合わせて書かれています。一方、日本郵便の案内は、年賀状でやりとりする松の内を過ぎてから立春の前日までを目安にしています。始まりの数え方が二通りあるのは、暦の「寒」に合わせるか、年賀状の時期と切り分けるかの違いと見ることができます。
| 区切り | 2027年の日付 | 寒中見舞いとの関係 |
|---|---|---|
| 寒の入り(小寒) | 1月5日(火) | 辞書が数える「寒」の始まり。まだ松の内と重なる |
| 松の内明け(7日までの地域) | 1月8日(金) | 日本郵便の案内でいう一般的な始まり |
| 松の内明け(15日までの地域) | 1月16日(土) | 関西などの一部地域での始まり |
| 節分(立春の前日) | 2月3日(水) | 寒中見舞いの締めくくり |
| 立春 | 2月4日(木) | この日からは余寒見舞い |
当サイトで数えてみると、出せる日数は寒の入りから数えれば30日、1月8日からなら27日、1月16日からなら19日です。松の内を15日までとする土地では、7日までの土地より8日短い計算になります。松の内の長さが土地によって違う点は松の内が7日までか15日までかという地域差で整理しています。迷ったときは、年賀状の時期と重ならない松の内明けから出すのが、日本郵便の案内に沿った無理のない選び方です。
締めくくりの日も毎年同じではありません。立春は年によって2月3日になり、2025年は立春が2月3日、その前日の節分は2月2日でした(国立天文台)。寒中見舞いの最終日は「その年の立春の前日」と覚えておけば迷いません。立春の日付が動くしくみは立春など二十四節気の日付の決まり方にまとめています。締めくくり近くに出すときは、届くまでの日数も見込んでおくと安心です。
どんなときに出す?場面別の早見表
名前のとおり、寒中見舞いの中心にあるのは「寒さのお見舞い」です。そこに、年賀状を出しにくい事情があった年のあいさつ役が重なっています。日本郵便の案内に出てくる場面を、当サイトで「誰の事情か」「文面の中心は何か」の軸で並べ直しました。
| 場面 | 誰の事情か | 文面の中心になること |
|---|---|---|
| 寒さの見舞いとして出す | 特になし | 相手の体調を気づかう言葉と、こちらの近況 |
| 年賀状の返事が松の内に間に合わなかった | 自分 | 年賀状をもらったお礼と、返事が遅れたお詫び |
| 自分が喪中なのに年賀状が届いた | 自分 | 年賀状へのお礼、誰がいつ亡くなったか、年始のあいさつを控えたこと |
| 年末の不幸で喪中はがきが間に合わなかった | 自分 | すぐ上と同じく、喪中だったことの報告とお詫び |
| 喪中はがきをくれた相手に、年始のあいさつをしたい | 相手 | 年賀状を控えたことと、相手をいたわる言葉。祝いの言葉は入れない |
| 相手の喪中に気づかず、年賀状を送ってしまった | 相手 | お悔やみと、知らずに賀状を出したお詫び |
年内に「新年のあいさつを控えます」と知らせるのが喪中はがき、年が明けてから相手を気づかうのが寒中見舞い、と役目が分かれています。喪中はがきを出す時期や範囲は喪中はがきを出す時期と文面の書き方で扱っているので、ここでは年明け側の便りに絞ります。辞書(デジタル大辞泉)の寒中見舞いの項にも、喪中の年のあいさつ状という使い方が添えられています。
文面の組み立て:5つの部品と、場面別の自作文例
寒中見舞いの文面は、次の部品を上から順に置くと形になります。日本郵便の解説にある構成をもとに、当サイトで5つにまとめ直しました。
- 見舞いのことば:「寒中お見舞い申し上げます」。へりくだった言い方の「寒中お伺い申し上げます」もあり、日本郵便の文例には「余寒お伺い申し上げます」も載っています。
- 相手を気づかう一文:寒さの中での体調をたずねる言葉。
- 本題:年賀状へのお礼、返事が遅れたお詫び、喪中の報告など、その便りを出す理由にあたる部分。
- 結び:体をいたわる言葉や、今年もよろしくという言葉。近況はこの前に添えても、省いてもかまいません。
- 日付:「令和九年 一月」のように年と月、または日にちまで書きます。日本郵便のJPペンフレンドクラブが紹介した作例には、日にちの代わりに「厳冬」と季節のことばを添えたものもあります。
以下の文例は、上の部品に沿って当サイトが作ったものです。○○の部分や続柄は実際に合わせて書き替えてください。
文例1 自分が喪中なのに、年賀状が届いたとき
寒中お見舞い申し上げます
新年のおたより うれしく拝見いたしました
父 ○○が昨年十二月に他界いたしましたため 新年のごあいさつは見合わせておりました
前もってご連絡できず 申し訳なく存じます
春まではまだ遠いようです 温かくしてお過ごしください
令和九年 一月
文例2 喪中の相手へ、年始のあいさつとして
寒中お見舞い申し上げます
お身内を亡くされたと伺い 年頭のおたよりは控えておりました
お寂しい冬をお過ごしのことと拝察いたします
寒い日が続きますので くれぐれもご無理をなさいませんように
令和九年 一月
文例3 年賀状の返事が遅れたとき
寒中お見舞い申し上げます
年明けに届いた年賀状 家族みんなで楽しく読ませていただきました
すぐにお返事をせず 失礼をいたしました
こちらは家族そろって元気にしております
冷え込む毎日ですが 風邪など召されませんよう
今年もどうぞよろしくお願いいたします
令和九年 一月
喪中にかかわる寒中見舞いでは、「謹賀新年」「あけましておめでとう」のような新年を祝う言葉(賀詞)は使わず、明るすぎる話題も控えるのが一般的です。喪中と関係のない寒中見舞いなら、楽しかった年末年始の様子など、近況を明るく伝えてかまわないとされています。
はがき選びと、喪中で出さずに残った年賀はがきの扱い
当サイトでは、寒中見舞いにはお年玉くじの付かないはがき(通常はがきや私製はがき)をおすすめします。年賀状の時期を過ぎてから届く便りに新年用のくじ付きはがきを使うと、季節が一歩ずれて見えると考えるからです。当サイトが確かめた日本郵便の解説には、寒中見舞いのはがきの種類まで書いたものは見当たりませんでした。ただ、立春を過ぎてからの余寒見舞いについては、郵便局のプリントサービスが、余った年賀はがきは避けて通常のはがきか見舞い用にデザインされたはがきを使うよう案内しています。年賀状の季節のあとに出す便りという点は、寒中見舞いも同じです。
絵柄は、誰の喪中かによって、すすめられる方向が少し変わります。郵便局のプリントサービスの解説を当サイトで場面ごとに整理すると、次のようになります。
- 自分の家の喪中を知らせる便り(文例1のような場合):喪中にも使える兼用の絵柄や、落ち着いた控えめな絵柄
- 喪中はがきをくれた相手へ出す便り(文例2のような場合):派手すぎない、春らしいあたたかみのある絵柄。賀詞を書かない文面でも、絵柄で季節のぬくもりを添えられます
- 喪中と関係のない便り(寒さの見舞いや年賀状の返事):雪景色や椿、梅など、冬から早春の季節を感じる絵柄
年末に身内を亡くし、買っておいた年賀はがきが手つかずで残ることもあります。そのはがきは無料で通常はがきに替えられるので、寒中見舞いの用紙として生かせます。日本郵便の案内から、当サイトで要点を拾い出しました。
- 期限:そのはがきの販売期間の最終日まで。2027年用なら2027年1月15日で、寒中見舞いを書き始める時期と重なるため、交換を先に済ませておくと安心です
- 手数料:かかりません
- 替えられるもの:通常はがきのほか、弔事用を含む普通切手なども選べます
- 窓口:簡易郵便局では扱っていないので、それ以外の郵便局へ持って行きます
- 当日の流れ:喪中で使わなくなったことを伝え、窓口で渡される所定の用紙に記入します。記入する内容には住所と氏名のほか、亡くなった方との続柄も含まれます
立春からは余寒見舞い:夏の見舞い状と並べて見る節目
「余寒」の「余」は、残りという意味です。暦の上で春を迎えたあとに、まだ居残っている寒さを指します(デジタル大辞泉)。節分までに出しそびれた年や、立春を過ぎてから返事のいる便りに気づいた年は、名前をこちらに切り替えれば季節に合ったあいさつになります。終わりの日が暦で決まる寒中見舞いと違い、余寒見舞いの締めくくりは目安で示されます。郵便局のプリントサービスの解説によると、ひとまずは2月いっぱい。春の訪れが遅い土地に宛てる便りなら、3月の初めごろまでを目安にするとよいそうです。宛先の土地によって目安に幅がある点は、寒中見舞いの始まりが松の内の長さで変わるのと同じく、地域差のある便りらしいところです。
夏の見舞い状と並べると、節目の考え方がよく似ていることが分かります。当サイトで対照表にしました(暑中見舞いの時期はデジタル大辞泉の補説による)。
| 季節 | 盛りの時期の便り | 切り替わる節目 | 節目を過ぎたら |
|---|---|---|---|
| 夏 | 暑中見舞い(梅雨明けから立秋の前日まで) | 立秋(2027年は8月8日) | 残暑見舞い |
| 冬 | 寒中見舞い(松の内明けから立春の前日まで) | 立春(2027年は2月4日) | 余寒見舞い(2月いっぱいが目安。春の遅い土地あては3月初めごろまで) |
夏も冬も、暦の上で季節が改まる「立」の日を境に、見舞いの名前が「残る暑さ」「残る寒さ」を気づかうものへ変わる点がそろっています。
寒中見舞いのよくある誤解
- 誤解:寒中見舞いは喪中のときに出す専用のはがき
喪中の年のあいさつは、寒中見舞いのいくつかある使い道のひとつです。上の早見表のとおり、寒さの見舞いや年賀状の返事として出す場面もあります。喪中の便りとして目にする機会が多いためそう受け取られがちですが、喪中に関係なく出してかまいません。 - 誤解:喪中の相手に寒中見舞いを出すのは、お祝いのようで失礼
寒中見舞いは祝いではなく見舞いの便りです。喪中のお知らせをくれた相手に、松の内が明けてから出す形が日本郵便の案内でも紹介されています。 - 誤解:寒中見舞いの最終日は毎年2月3日
最終日は立春の前日です。2025年のように立春が2月3日の年は、2月2日までになります。
もうひとつ、「へぇー」を
江戸後期の滑稽本『浮世床』には、寒見舞いの品らしい箱を三つ四つ並べる場面が出てきます。寒中の見舞いは、文字の便りだけでなく、箱入りの品として届くこともあったようです。
編集:へぇ助
寒中見舞いのよくある疑問
Q. 喪中の寒中見舞いには、亡くなった人の名前まで書く?
A. 続柄(父・母など)と亡くなった時期を書くのが一般的です。日本郵便の文例には、続柄に名前を添えた形も見られます。どこまで書くかは相手との関係で決めてかまいません。
Q. 寒中見舞いには句読点を付けない?
A. 当サイトの文例1〜3は、「、」「。」を一つも使わず、文の切れ目を一字あけと改行で示しています。改まった書状では句読点を打たないほうが丁寧とされ、郵便局のプリントサービスの年賀状の返事についての解説でも、句読点の代わりにスペースを入れる書き方がすすめられています。句読点がないと読みにくくなりそうなときは、一文を短めにして、文ごとに行を改めると区切りが伝わります。句読点を入れても失礼にはあたらない、とする解説も同じサービスにはありますが、当サイトとしては、喪中にかかわる便りや目上の方あての便りでは句読点を控えておくのが無難と考えます。
Q. 立春を過ぎてから、返事を出していない年賀状に気づいたら?
A. 余寒見舞いとして返事を出せます。組み立ては寒中見舞いと同じで、冒頭を「余寒お見舞い申し上げます」に替え、気づかう言葉も「春とは名ばかりの寒さが続きますが」のように、春先の寒さに合わせます。
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出典・参考
- 寒中見舞い(カンチュウミマイ)とは? 意味や使い方|コトバンク(デジタル大辞泉)
- 寒中(カンチュウ)とは? 意味や使い方|コトバンク(デジタル大辞泉・精選版 日本国語大辞典)
- 寒見舞(かんみまい)とは? 意味や使い方|コトバンク(精選版 日本国語大辞典)
- 余寒(ヨカン)とは? 意味や使い方|コトバンク(デジタル大辞泉・精選版 日本国語大辞典ほか)
- 暑中見舞(ショチュウミマイ)とは? 意味や使い方|コトバンク(デジタル大辞泉・精選版 日本国語大辞典)
- 令和 9年(2027)暦要項 二十四節気および雑節|国立天文台暦計算室
- 令和 7年(2025)暦要項 二十四節気および雑節|国立天文台暦計算室
- 寒中見舞いはどんな時に出すの?|郵便局のプリントサービス(日本郵便)
- 寒中・余寒見舞いの書き方や例文・メッセージを解説します|郵便局のプリントサービス(日本郵便)
- 余寒見舞いとは? 基本の書き方やマナーをご紹介します|郵便局のプリントサービス(日本郵便)
- 年賀状の返事はいつまで?状況別の書き方マナーとすぐに使える文例集|郵便局のプリントサービス(日本郵便)
- 1月のおたより(PDF・寒中見舞いの作成例を掲載)|JPペンフレンドクラブ(日本郵便)
- 近親者の不幸によりいらなくなった年賀はがきは交換できますか?|日本郵便(よくあるご質問)
- 書き損じはがき・切手の交換|日本郵便
- 2027(令和9)年用年賀はがき等の発行概要(報道発表資料)|日本郵便株式会社(2026年8月31日)
※松の内の長さや、寒中見舞いを出し始める日の考え方は、地域や家庭によって異なります。日付は国立天文台の暦要項と日本郵便の発表にもとづく2027年の目安で、文例は当サイトが作成したものです。