お年賀とは?いつからいつまで渡す?相場・のしの表書きと年賀状との違い

先に結論:お年賀は、新年のあいさつに相手の家や会社を訪ねるとき、手土産として持っていく品物のことです。手紙で届ける年賀状とは、会って手渡すかどうかで役目が分かれます。渡す時期は松の内のうちが目安で、松の内は、関東では7日まで、関西などでは15日までとする地域もあります。始まりは、元日を外して2日ごろからとする案内が見られます。予算は3,000円前後を目安とする案内があります。のし紙は紅白の蝶結びに「御年賀」「御年始」と書き、松の内を過ぎたときや喪中のときは「寒中御見舞」として渡す考え方があります。

まずはひとつ、「へぇー」を

今のお年賀は、目下から目上へ贈るのが一般的です。ところが百科事典によると、昔「年玉」と呼ばれた新年の贈り物は、上の立場から渡されるのが通例でした。大人が子どもに渡すお年玉は、今もその向きです。

編集:へぇ助

お年賀・年賀状・お歳暮・寒中御見舞を表で比べる

お年賀は、年が明けてから「今年もよろしく」と伝えに伺うときに添える品です。高島屋の案内では、目下の人から目上の人へ贈るのが一般的とされ、相手には夫婦それぞれの実家や仲人、上司、恩師、取引先などが挙がります(高島屋、家電Watch)。

名前の似た季節のあいさつと並べると、違いは次のとおりです。

名前 届け方 時期の目安 主な気持ち
お年賀 訪ねて手渡す品物 1月2日ごろから松の内まで 新年のあいさつと、今年もよろしくの気持ち
年賀状 はがき・手紙で届ける 松の内ごろまで 新年を祝うあいさつ
お歳暮 品物(配送も多い) 12月初めから25日ごろ(最近は11月下旬から贈る人も) 一年お世話になったお礼
寒中御見舞 品物、またははがき 松の内が明けてから立春の前日(節分)ごろまで(立春までとする案内もある) 寒さの中で相手を気づかうあいさつ。松の内に間に合わなかったときや喪中のときにも使われる

表は高島屋・三越伊勢丹・All Aboutの案内をもとに当サイトでまとめたものです。お年賀と年賀状は「新年のあいさつ」という目的が同じで、分かれ目は品を持って会いに行くか、文字で届けるかにあります。お年賀が年の初めのあいさつ、お歳暮が年の終わりのお礼という違いもあり、高島屋はお歳暮が年内に届かない場合に、お年賀として贈る方法も紹介しています。

いつからいつまで?案内ごとの「始まり」と「終わり」を比べる

渡す時期は、資料によって書き方が少しずつ違います。当サイトで3つの案内を並べました。

資料 いつから いつまで 添えられている注意
高島屋 1月2日から(元日は避ける) 松の内まで 配送にするなら到着を1月15日までに合わせる(直接伺えない場合・お歳暮の代わりに贈る場合)
三越伊勢丹 会社あては、三が日が明けた仕事始めの1月4日から 一般には松の内(1月7日)まで。会社あては15日ごろまで 個人あてと会社あてで目安を分けている
家電Watch(qufour編集部、2015年) 元日を除いた三が日がのぞましい 遅くとも松の内 訪問は11〜16時ごろ/前もって相手の予定を確認

終わりの目安は、どの案内も「松の内」でそろっています。始まりは2日、三が日、会社なら4日と幅があり、高島屋と家電Watchはどちらも元日を外すとしています。松の内の長さには地域差があり(初詣の記事で解説している松の内の地域差)、高島屋は関西・山陰・名古屋を15日までの例に挙げています。訪ねる先の土地の区切りに合わせると迷いにくく、2027年に関東の目安で考えるなら1月7日(木)までです。

予算の目安は?相手による違いと、お歳暮を贈ったかどうか

金額の目安も、資料ごとに並べると考え方の違いが見えます。

相手・場面 目安 資料
全体の目安 3,000円程度 高島屋
目上の方・仕事の相手 3,000〜5,000円程度 高島屋
ご近所の方 2,000円まで 高島屋
お歳暮を贈らなかった相手 お歳暮と同じくらい 家電Watch(高島屋も、お歳暮の代わりなら予算はお歳暮に準じるとする)
お歳暮をすでに贈った相手 1,000円程度でよいとする解説もある 家電Watch

家電Watchは、多くても5,000円程度までを目安としています。高島屋も、高価すぎる品は相手の負担になるおそれがあると注意しています。品物は、お菓子やタオルのように使えばなくなるものがよく選ばれ(家電Watch)、会社あてなら個包装で常温のまま置けるお菓子が配りやすいとされます(高島屋)。避けたい品として、高島屋は「縁を切る」を思わせる刃物や、弔事を連想させる日本茶を挙げています。家電Watchも控えたい例として、年配の相手への4個入り・9個入りの品を挙げています。数字の読みが「死」「苦」につながるためです。取引先によっては贈り物の受け取りを断っている会社もあるため、事前の確認も勧められています(高島屋)。持っていくときに風呂敷で包むと、改まった印象になるという助言もあります(家電Watch)。

のし紙と表書き:「御年賀」「御年始」、目上の人には「御慶」も

まず文字の位置です。高島屋の案内では、水引の結び目をはさんで、上に「お年賀」または「御年賀」、下に贈る側の姓を書き入れます。使うのし紙(掛紙)は、紅白5本の水引を蝶結びにしたものです。蝶結びはほどいて結び直せる形なので、くり返してよいお祝いごとに向く水引とされます(のし袋の表書きと水引の選び方)。

表書きには「御年賀」のほか「御年始」「賀正」も使われ、目上の人には「御慶(ぎょけい)」と書く方法も紹介されています(家電Watch)。御慶は、国語辞典にも新年の祝いを表す語として載っている言葉です。ふだん口にする「あけましておめでとうございます」を、漢字二文字の改まった形にしたものと考えると、目上の人あての表書きに挙がる理由がつかみやすくなります。

表書きは、渡す日と喪中かどうかでも変わります。資料の目安を、当サイトで一つの早見表にまとめました。

渡す時期・事情 表書きの例 資料
1月2日ごろから松の内まで 御年賀・御年始・賀正(目上の人には御慶も) 高島屋、家電Watch
松の内が明けた後(立春が区切り) 寒中御見舞(三越伊勢丹は「寒中御伺」) 高島屋、三越伊勢丹
贈る側か相手のどちらかが喪中 松の内を外して伺い、寒中御見舞 高島屋

2027年の立春は2月4日です(国立天文台)。寒中のあいさつを出す時期や文面は、寒中見舞いの時期と喪中のときの書き方で整理しています。

喪中のときはどうする?相手が喪中・自分が喪中

高島屋のお年賀の案内は、贈る相手と贈る側のどちらかが喪中なら、松の内の時期を外して伺い、表書きを「寒中御見舞」にするとしています。品物の表書きを替えるのと同じように、手紙のやりとりでも喪中に関わるあいさつでは「年賀状」という言葉を避けるのが一般的だと、All Aboutの手紙の解説は説明しています。

掛け紙については、同じ高島屋の喪中のお歳暮の案内に、紅白の蝶結びののし紙ではなく白無地の掛け紙を使うのが一般的とあり、仏教の忌明けにあたる四十九日を過ぎるまでは贈るのを控えるのが一般的ともされています。お年賀の代わりに寒中の品を持っていくときも、この考え方が参考になります。喪中の範囲や過ごし方は家や地域、宗教によって異なるため、相手の事情が分かっているときは、それに合わせるのがいちばんです。

昔の年始のあいさつと今のお年賀:時代と土地による違い

今のお年賀の決まりごとを一つずつ取り出し、「これと逆の形は昔あったのか」という目で百科事典(日本大百科全書と世界大百科事典の「年始」の項)を読むと、名前のついた習わしがいくつも見つかります。当サイトで、今の目安と対になるように並べました。

今のお年賀の目安 対になる年始の形(事典に載る名前。今も続くものを含む) どこが逆か(当サイトのまとめ)
元日は外し、2日ごろから伺う 門開き(カドアケ・カドビラキ)。四国などの例が挙がる 日取りが反対。元日を外す今の目安とは逆に、元日の朝早くこそが出番だった
相手の家を一軒ずつ訪ねる 総礼、名刺交換会など 訪ね方が反対。訪ねる側と迎える側の区別がなく、全員が出向く側になる
訪ねる側が品を用意して持っていく 食積(くいつみ)、手掛け(てかけ) 品の向きが反対。迎える側が用意した品に、客のほうが手を付ける(客がどう手を付けるかの書き方は、世界大百科事典と日本大百科全書で分かれる)

右の列と見比べると、今のお年賀は、事典に載る年始の形と日取り・訪ね方・品の向きが逆になっているところがあります。それでも「顔を合わせて祝う」点は共通で、そこが年賀状との分かれ目です。どちらの事典も、年始のあいさつを、本家などに集まる形から各家を訪ねて回る形へ、さらに年賀状のように書いて届ける形へと移ってきたとする見方で説明しています(どちらの事典も、もとの姿については言い切らない書き方をしています)。その流れの中に置いてみると、品を手に会いに行くお年賀は、訪ねて回る形を今に残すものといえそうです。

もうひとつ、「へぇー」を

寒中見舞いの目安が終わる立春の前日は、暦の上では節分です。日本大百科全書には、女性の年始回りは節分までにすればよいという言い伝えも載っており、今の寒中のあいさつと区切りの日が重なります。

編集:へぇ助

お年賀のよくある疑問

Q. 配送で贈ってもいい?いただいたらお返しはいる?

A. 配送については、案内によって考え方に幅があります。当サイトで2つの資料を並べると、次のとおりです。

  • 家電Watch:配送はせず、伺うときに手で持っていく品という位置づけ。お返しも要らないとしています。
  • 高島屋:手渡しを基本としつつ、都合がつかず直接伺えないときは配送も便利だとしています。配送にするなら到着を1月15日までに合わせ、お歳暮の代わりとして贈るときも同じ目安で、予算はお歳暮に準じるとしています。

このように、配送を認めるかどうかは案内どうしで考え方が分かれています。郵送しないものとする見方もあることを知ったうえで、配送にするときは訪ねられない事情を一言添えるなど、相手との関係に合わせて選ぶとよいでしょう。

Q. 会社へ持っていくときは、個人の家と何が違う?

A. 当サイトで資料を突き合わせると、違いは「日取り」「品選び」「受け取れるかの確認」の3つに出ます。日取りは、三越伊勢丹が会社あてを仕事始めの1月4日から15日ごろまでとしていて、個人あての目安より後ろにずれます。品は、職場で分けやすい個包装で、常温のまま置けるお菓子が向くとされます(高島屋)。そして会社によっては贈り物を受け取らない決まりがあるため、渡す前に確かめておくのが安全です(高島屋)。

Q. 伺ったら、どのくらいでおいとまする?

A. 帰る時刻は、着いてから迷うより、伺う前に決めておくと気が楽です。目安の数字は、家電Watchによると長くても1時間ほどで、おいとまを言い出すのは訪ねた側の役目とされています。当サイトのおすすめは、事前に相手の都合を聞く段階で、訪ねる時間帯(家電Watchの目安は午前11時ごろから午後4時ごろ)とあわせて、帰る時刻まで自分の予定に入れておくことです。お正月は迎える側にも別の来客や用事が重なりやすい時期なので、短めの訪問のほうが相手の負担も軽くなります。

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出典・参考

※お年賀を渡す時期・金額・表書きは、地域や家庭、相手との関係によって異なります。本記事は百貨店の案内や辞典などの資料にもとづく一般的な目安です。